相馬福島道路 2020年度までに約8割開通の見通し

2016年6月9日

 国土交通省東北地方整備局福島河川国道事務所は6月7日、2013年度に事業着手した相馬福島道路霊山~福島間12.2kmのうち、国道4号IC(仮称)から福島北JCT(仮称)までの区間2.0kmを、2020年度までに開通させるとの見通しを発表した。これによって相馬福島道路約45kmのうち、約8割にあたる約36kmの開通見通しが確定したことになる。
 相馬福島道路は、常磐自動車道と東北縦貫自動車道を結ぶ復興支援道路であり、東日本大震災からの復興に向けたリーディングプロジェクトとして整備を進めている。今回の開通により、輸送効率化と企業集積、観光振興、安定した救命救急活動などが期待される。相馬港に立地するLNG受入基地は2017年度の操業開始を予定しており、相馬福島道路の整備によって内陸部への安定確実な供給ができる。また、相馬市などの沿岸地域からの第三次救急医療施設搬送先は約8割が福島市の福島県立医科大学付属病院となっているが、相馬福島道路の整備によって搬送時間が約21分短縮される。
 内堀雅雄福島県知事は同日、「本区間の開通見通しが示されたことは、一日も早い全線供用という本県の要望をしっかり受け止めていただいたものであり、復興と地域の活性化への大きな弾みになるものと大変期待している」として、残る区間の早期供用に向けて引き続き全力で支援していくとのコメントを発表した。福島県では幹線道路の整備によって、帰還住民の利便性向上や地域の活性化、原子力発電関係車両および中間貯蔵への輸送の円滑化などを図るとしている。