伊方3号の燃料装荷が開始、8月の営業運転復帰に向け

2016年6月24日

 四国電力は6月24日、伊方発電所3号機(=写真右)の燃料装荷作業を開始した。27日までに再使用MOX燃料16体を含め計157体が装荷される予定。
 同機は、原子力規制委員会による新規制基準適合性審査で、2015年7月に原子炉設置変更許可に至った後、2016年3月には工事計画認可を取得し、4月からは安全対策工事が認可通りであることを確認する使用前検査が進められている。新規制基準で要求されるテロなどに備えた特定重大事故等対処施設については、規制委員会による工事計画認可から5年間の猶予が与えられているが、同社では2019年度完成予定としている。
 伊方3号機では今後、燃料装荷を完了し、使用前検査は、原子炉起動前の機能・性能確認に入る。四国電力が4月末に発表した2016年度経営計画によると、伊方3号機は、7月下旬の発電開始、8月中旬の営業運転開始が見込まれている。新規制基準をクリアした原子力発電プラントの再開は、現在国内で唯一稼働中の原子力発電所である九州電力川内1、2号機と、関西電力高浜3、4号機に続いて5基目となる。
 四国電力では、原子力発電所が再稼働しないものとして、今夏の電力需給状況を見通しているが、来る電力需要増に向け、早期に伊方3号機を再稼働できるよう努めていくとしている。運転開始から47年となる同社の阿南2号機(石油、22.0万kW)では、震災特例による定期検査の繰延が既に2回実施されるなど、電力の安定供給確保のため、高経年火力発電設備に負担がかかっている状況だ。