東芝、米NRCへのABWR設計認証更新を取り下げ

2016年7月4日

 東芝は7月1日、米国原子力規制委員会(NRC)に対し行っていたABWRの設計認証(DC)の更新申請を取り下げたと発表した。
 同社は、ABWRを採用したテキサス州サウステキサスプロジェクト(STP)原子力発電所3、4号機増設計画について、今年2月にNRCから建設運転一括許可(COL)の承認を得た一方、1997年に取得したABWRのDCが2012年に有効期限を迎えるにあたり、2010年から更新申請を行ってきた。COLは40年間有効であり、COLを取得したことによりSTP3、4号機増設計画はDCを更新しなくても進める事が出来る。しかし今般、米国ではシェールガス革命を発端とした電力価格の低迷や電力需要の伸び悩みにより、初期投資が巨額な原子力発電は太刀打ちできない状況。STP計画に続く新規建設案件が当面見込めないことから、DC更新手続は現時点で必要ないとの判断に至ったと説明している。
 STP3、4号機計画については、建設予定地のテキサス州にシェールガス田が存在するなど電力価格問題は深刻だが、同計画の推進に必要なパートナー企業の募集も含め、東芝は今後の電力市況を見極めながら適切な時期に建設開始の判断を行う方針予定。また、米国における提案活動を引き続き進めるほか、ABWRおよびウェスチングハウス社のAP1000の新規受注に向けてグローバルな受注活動を継続するとしている。