電中研原子力リスク研究センターにリスク情報活用推進チームが新設、PRA高度化に向け
電力中央研究所の原子力リスク研究センター(NRRC)は7月1日、新たにリスク情報活用推進チームを設置した。NRRCは2014年10月に、原子力発電の自主的な安全性向上に必要な研究開発拠点として設置され、確率論的リスク評価(PRA)、リスク情報を活用した意思決定、リスクコミュニケーションの最新手法を開発し用いることで、事業者らによる安全性向上の取組を支援していく。
リスク情報活用推進チームは、原子力事業者においてリスク情報を活用した意思決定プロセスが確立されるよう、具体的な目標設定と、それに向けた戦略策定を行うことにより、事業者の取組を促進するほか、PRA改善のためのパイロットプロジェクトの支援、PRAレビューやデータベースなどの技術基盤の整備を図り、事業者の目標達成を支援する。同チームは、電力出向者を主体としてチームリーダー含め10名で構成される。
電気事業連合会が3月に取りまとめた「原子力発電の自主的安全性向上に向けたこれまでの取組と今後の対応について」では、NRRCと事業者が連携したPRAの高度化が課題としてあげられており、PWRの伊方3号機に加え、ABWRの柏崎刈羽6、7号機をパイロットプラントに追加し、得られた成果を水平展開し底上げを図っていくとしている。また、NRRCが昨秋開催したシンポジウムでも、リスク情報活用の定着が取り上げられた。
電中研では、NRRCの活動について、特設ウェッブサイト(http://criepi.denken.or.jp/jp/nrrc/index.html)を設け順次新着情報を掲載するなど、情報公開の拡充に努めている。