日本・IAEA共催「原子力エネルギーマネジメントスクール」開講式

2016年7月11日

Japan-IAEAmanagement2016IMG_7632 各国の若手リーダーを育成し、人的ネットワークの構築を図る「Japan‐IAEA Joint原子力エネルギーマネジメントスクール」開講式が7月11日、沢井友次・日本原子力研究開発機構原子力人材育成センター長の進行のもと、東京大学山上会館で行われた。
 開講式では、原子力人材育成ネットワーク運営委員長である高橋明男日本原子力産業協会理事長/原子力国際協力センター理事長が、日本をはじめ各国で原子力は依然として重要なエネルギーとしての役割を担うことが期待されており、「当マネジメントスクールで得られる知識やネットワークを今後自国でも活かしていってほしい」と歓迎の挨拶を行った。そのほか、上坂充東京大学大学院工学系研究科原子力専攻教授、光石衛東京大学大学院工学系研究科教授、ミハイル・チュダコフ国際原子力機関(IAEA)事務次長(原子力エネルギー担当)、岡芳明原子力委員会委員長、板倉周一郎文部科学省大臣官房審議官(研究開発局担当)、平井裕秀経済産業省国際エネルギー技術統括調整官が挨拶し、福島第一原子力発電所事故の教訓を継承していくことの大切さなどを語った。
 同スクールはIAEAと共催し、一昨年より日本主導での運営となり、原子力人材育成ネットワーク、東京大学原子力専攻・原子力国際専攻、日本原子力研究開発機構、日本原子力産業協会、原子力国際協力センター、若狭湾エネルギー研究センターが主催する。日本での開催は5回目で、今年はバングラデシュ、中国、チェコ、リトアニア、インドネシア、カザフスタン、韓国、マレーシア、ポーランド、サウジアラビア、タイ、トルコ、ベトナム、日本の14か国から32名が参加。7月11日から27日まで、エネルギー戦略、核不拡散、国際法、経済、人材育成、環境等、原子力関連の様々な領域についての講義やグループ討論のほか、三菱重工業神戸造船所、関西電力大飯発電所、敦賀原子力防災センターなどを見学するテクニカルツアーなどを行っていく。
 同スクール実行委員長の上坂教授は開講式終了後、日本での今年のスクール開催では、大飯発電所の再稼働に向けて準備を進めている様子など、現場を見てもらうことが重要であるとして、特に地域の安全への取り組みについて理解を深めてもらいたいと語った。