中部電力、浜岡4号の安全性向上対策工事は9月以降も継続へ
中部電力は7月29日、浜岡原子力発電所における安全性向上対策の状況を発表した。その中で、現在、原子力規制委員会で新規制基準適合性確認の審査が進められている4号機では、福島第一原子力発電所事故以降に計画した地震・津波対策や重大事故対策などの主な工事が、2016年9月頃までに施工終了する見込みだが、現場の状況や審査内容を踏まえた設計変更・工事見直しにより、一部の工事は9月以降も継続するとしている。完工時期については、審査が進展し工事に見通しが得られた段階で公表される模様。
同社では、浜岡4号機の安全性向上対策工事の完了時期を2016年9月頃としていたが、基準地震動・基準津波の審査に先立ち、その条件となる発電所敷地周辺の地質の審査を受けていることなどから、今後、審査の進展や新知見を踏まえ工事の見直し・追加が必要となる可能性があると説明している。また、4号機に続いて新規制基準適合性確認の審査が進められている3号機についても、審査に真摯に対応し安全性向上対策に努めていく。
一方、5号機では、2011年5月に発生した海水流入事象に対する機器レベルの健全性評価を2015年12月に完了しており、一部の機器で補修・取替などを行う必要があるものの、運転再開に支障はないものとの判断から、新規制基準を踏まえた対策についても引き続き検討し、審査の申請に向けた準備を進めていくとしている。
中部電力・勝野哲社長は、同日の記者会見で、浜岡原子力発電所の安全性向上対策の状況とともに、7月27日に行われた規制委員会との意見交換会について報告し、浜岡の審査に関しては、「立地条件の厳しさを考えると地震や津波に対する議論に重きを置かざるをえない」との指摘を受けたことなどを説明した。