伊方3号が15日に発電再開の運び、1次冷却材ポンプ不具合で当初予定より遅れ

2016年8月8日

 四国電力は8月5日、伊方発電所3号機(=写真右)について、順調に工程が進捗すれば、12日に原子炉を起動し、15日に発電を再開すると発表した。発電再開後は、徐々に出力を上昇させながら調整運転を行い、22日には定格熱出力一定運転、9月上旬には原子力規制委員会による最終的な検査を受けて通常運転に復帰となる運び。
 6月中に燃料装荷作業を完了した伊方3号機は当初、7月下旬に原子炉を起動し、発電再開後、8月下旬には通常運転に復帰する予定だったが、7月17日に1次冷却材ポンプで不具合が発生し、復旧作業を行ったため、再稼働時期が遅れることとなった。四国電力の佐伯勇人社長は同月28日の定例記者会見で、「原子力発電所の運転に当たっては安全の確保が第一」として、スケジュールありきではなく、丁寧・慎重・確実に工程を進めていく考えを強調している。
 新規制基準をクリアした原子力発電プラントの再開については、現在稼働中の九州電力川内1、2号機、司法判断により停止となっている関西電力高浜3、4号機(3号機:2月26日通常運転再開、4号機:同日原子炉起動)に続き5基目となる。
 愛媛県の中村時広知事は7月末の記者会見で、伊方3号機におけるトラブル対応に関して、四国電力には、着実な点検を行い、起こった事象については「決して隠し事をしないという『えひめ方式』」を徹底して欲しいと求めるとともに、県としてもトラブルの復旧状況や再稼働工程の状況について、速やかに情報を提供していく考えを述べている。