伊方3号が発電再開、四国電力・佐伯社長「ゴールではなく新たなスタート」と気持ち引き締め

2016年8月16日

 四国電力の伊方発電所3号機が8月15日、発電を再開した。2011年4月に定期検査に伴い停止して以来、およそ5年4か月ぶりで、2015年7月の新規制基準に係る適合性確認の審査申請から1年余を要した。同機は、8月12日に原子炉を起動、翌13日に原子炉が臨界に達している。四国電力が8月5日に発表した再稼働工程によると、今後、伊方3号機は徐々に出力を上昇させながら調整運転を行い、22日には定格熱出力一定運転となり、9月上旬に原子力規制委員会による最終的な検査を受け通常運転復帰となる見通し。
 伊方3号機の発電再開について、佐伯勇人・四国電力社長は、「安定的かつ低廉な電力供給を支える基幹電源の発電を再開できたことは感慨深く、当社にとっても事業運営の安定化の観点から大変意義あるもの」とする一方で、「ゴールではなく新たなスタート」と気持ちを引き締め、緊張感を持って安全最優先に今後の工程を進めていくと述べた。
 愛媛県の中村時広知事も、12日の原子炉起動に際して、「ゴールとするのではなく、この先も安全運転を確実に続けていくことを何よりも優先すべき」などとコメントしている。
 伊方3号機は、先の運転に引き続き、MOX燃料を装荷するプルサーマル発電を行うが、これに関し世耕弘成経済産業相は、「核燃料サイクルの推進という観点からも非常に意義がある」と述べている。