原子力委放射性廃棄物専門部会 科学的有望地提示に向けNUMOの地域対応充実を

2016年8月30日

DSCF6752 原子力委員会の放射性廃棄物専門部会は8月29日、放射性廃棄物の最終処分計画への取り組みに対する評価について、事務局側がこれまでの意見をまとめて提示した評価素案について議論を行った。
 評価の視点の設定に当たっての基本的考え方案として、国民の信頼性確保、各主体の自立性の尊重、重要施策の取り組み状況の確認――を柱とする素案に加え、織朱實委員からの提案で、「長期的な取り組みや技術的な継承」も視点として盛り込むこととなった。具体的な評価項目としては、国民理解の醸成、地域対応の拡充、科学的有望地の検討、研究開発の推進、その他基本方針との関係などが挙げられた。なお、当初は原子力規制委員会による安全確保のための整備についても評価の対象としていたが、規制側が関与するのは科学的有望地が示された後からとされていることや規制委員会の独立性確保の観点などから、評価の視点から外すこととなった。
 評価結果としては、目標設定から達成までの政策的措置や原子力発電環境整備機構(NUMO)の自己評価等は概ね適切に行われているとしながらも、政策目標の設定等については国民により分かりやすく行うことも可能であり、改善の余地があると考えられるとしている。また、シンポジウム等の結果が詳細かつわかりやすくインターネットで公表されていることは高く評価できるとしたが、これらの情報が非参加者の間でどの程度共有されているか客観的に評価することは難しいとした。さらに今後科学的有望地が提示されると地域住民等との対話が本格化すると見られることから、NUMOによる地域対応の一層の充実が望まれるとしている。
 9月30日に開催される次回の同部会では、今回の議論を踏まえて事務局が取りまとめる評価案について、最終的な評価報告書作成に向けて詰めていく。