原子力機構瑞浪研の地下深部坑道、花崗岩の閉じ込め能力で成果

2016年9月1日

 日本原子力研究開発機構の東濃地科学センターは8月31日、瑞浪超深地層研究所の深度300~500mの研究坑道で採取した花崗岩試料を用いて、水に溶けた物質が岩石中を拡散していく現象を調べる実験を行い、鉱物内の微細な構造を観察したところ、肉眼では変質が認められない健岩部にも、微小空隙が形成・発達していることを明らかにしたと発表した。花崗岩の主要な構成物質の一つである斜長石の中に見られたもので、合わせて、この空隙の中を選択的に物質が拡散していることも発見された。研究チームでは、このような微小空隙中での拡散は、地下水に溶けている物質の地層中での移動を遅らせる能力を高め、さらに、今回確認された斜長石の中の微小空隙は、花崗岩体の形成時に生じたものと推定されることから、国内の花崗岩体では、健岩部でも地層処分の安全性にとって重要な閉じ込め能力が期待できるものとみている。
 地下深部は、高レベル放射性廃棄物の地層処分に必要な機能を支える特徴として、(1)酸素が少なく物が変化しにくい、(2)物の動きが遅い、(3)人間の生活環境から隔離されている――ことから、瑞浪超深地層研究所では、深度500mまでの研究坑道を掘削し、花崗岩(結晶質岩)、淡水系、硬岩といった地質環境について、地層処分技術の適用を確認する試験を行っている。