第60回IAEA総会展示で日本の多様な原子力研究開発利用をアピール
9月26日から30日まで開催された国際原子力機関(IAEA)の第60回総会で、日本の官民関係機関の協力によるブース展示が行われた。日本ブースには期間中、延べ約720名の来訪者を集め、わが国の原子力開発利用の状況を世界に発信する絶好の機会となった。
今回のブース展示は、原産協会の他、内閣府を始めとする政府機関、東芝、日立GEニュークリア・エナジー、三菱重工業、東京電力ホールディングス、量子科学技術研究開発機構、日本原子力研究開発機構が参加。「Life, Safety and Prosperity - Quests for Peaceful Uses of Nuclear Energy through Lessons Learned」をメインテーマに掲げ、人々のくらしと安全、繁栄のため、事故の教訓を踏まえ、原子力の平和利用を追求していく、という日本の取組姿勢を、世界各国から集まった政府関係者や原子力・科学技術分野の専門家、IAEA関係者らに広くアピールした。
ブース説明者らは、核不拡散や安全性向上を旨とするわが国の多様な原子力開発利用の基本姿勢を示しつつ、進捗を見せる福島第一原子力発電所廃止措置の状況、軽水炉技術や次世代型炉の研究開発、放射線利用技術について模型や映像などを用いて紹介した。
今回の展示物の中では、量研機構が今年設置した重粒子線治療・超伝導回転ガントリー装置の模型が途上国を中心に多くの来訪者の関心を集めていた。
日本ブースには、天野之弥IAEA事務局長や日本政府代表の石原宏高内閣府副大臣も訪れ、展示全体のテーマや内容について説明を受けるなどしていた。