原産協会高橋理事長 放射線教育の現状や課題などでメッセージ

2016年10月14日

 dscf7025高橋明男原産協会理事長は10月13日、理事長メッセージを公表し、プレスブリーフィングで説明した。
 放射線教育は中学校では1980年以降ほとんど実施されてこなかったが、2008年に中学校理科新学習指導要領の中に約30年ぶりに記載され、2012年度よりこれに基づく理科教育が全国で開始されている。これを受けた小中高校向けの「放射線副読本」を作成した文部科学省のほか、全国中学校理科教育研究会(全中理)、福島県教育委員会、日本原子力学会教育委員会、電力会社やメーカーその他関係団体などの放射線教育の取り組みについて紹介するとともに、若手教員が学校教育で放射線を学んでいないことや、放射線測定器や霧箱観察の実験材料等が入手しにくいなどの課題があることに触れた。
 原産協会としては、日本原子力研究開発機構による放射線実験材料市販化の支援や教員向け研修会等の情報提供を継続するとともに、研究炉を活用した教員向け研修の後押しなど放射線教育に係る教員支援に資する活動を今後も継続していくと強調した。
 その他、ブリーフィングでの記者との質疑応答では、川内原子力発電所1号機の定期検査入りに関し、新規制基準適用後に初の運転再開となったために緊張の中で運転や保守に取り組み、九州電力関係者がしっかり安全に稼働させてきたことに敬意を表した。また、世界の高速炉の状況についての質問に対して、ロシアでは1980年代より高速炉の運転を開始し、2015年12月には高速実証炉BN-800が発電を開始するなど、豊富な経験を有していることを紹介した。