今冬の電力需給見通し、「全国的に供給予備率3%以上を確保できる」

2016年10月19日

 資源エネルギー庁は10月18日、今冬(12~3月)の電力需給について、「全国的に供給予備率3%以上を確保できる」との見通しとともに、引き続き特別な節電要請は行う必要はないものの、厳寒期に需要が増大し他地域からの電力融通に制約のある北海道においては、多重的な措置を講じるべきなどとする対策方針を示した。これまで、電力とガスとで別々に行ってきた事業制度設計に関する議論を総合的に進めるため、総合資源エネルギー調査会に新たに設置された「電力・ガス基本政策小委員会」の初会合で説明があったもの。
 電気の小売全面自由化などの状況を踏まえ、電力需要の増大する夏季・冬季の需給実績および見通しについては、大手電力の他、対象を新規参入者にまで拡大し、2015年4月に発足した「電力広域的運営推進機関」がデータを取りまとめた上で、資源エネルギー庁による妥当性の確認や対策方針の策定が行われることとなった。
 それによると、今夏の電力需給実績については、9月の四国電力伊方発電所3号機(PWR、89万kW)の通常運転復帰による供給力積み増しがあったものの、東日本大震災以降、原子力発電所が長期間停止する中、火力発電への依存度が依然高いことなどから、「電力の安定供給に対する潜在的なリスクが高まっている」と警鐘を鳴らしている。
 一方、今冬の電力需給見通しに際し、供給力の想定に当たっては、各電源とも、確実に見込めるものを十分に精査する考えから、原子力については、既に再稼働しているものを除き稼働しないこと前提としている。また、震災以降、長期停止プラントの再稼働により供給力を計上してきた火力発電だが、設備の劣化に伴う部品調達・補修工事などを要することから、今冬は計794万kW相当(今夏需給見通しでは計463万kW相当)が稼働できないとしている。四国電力では8月、伊方3号機の発電再開に伴い、運転開始から47年を経過した阿南2号機(石油、22万kW)を、震災後の再稼働により設備劣化が著しく進行したことから長期停止とした。需給バランスの検証について、北海道に関しては、最大機の苫東厚真4号機(石炭、70万kW)の停止で予備率12.7%もの喪失になるなど、計画外停止による影響も大きいことから、過去最大級のリスクにも対応できることを精査の上、追加確認したとしている。
 この他、小委員会では、2030年頃を見据え、電力・ガス分野を中心としたエネルギー産業の将来像に関する検討を開始した。その中で、資源エネルギー庁が報告した電力自由化に関する消費者アンケート調査結果(9月)によると、電気の購入先や料金プランを変更した人のうち、約6割が自身の生活に関して、「節電意識が高まった」を筆頭に、何らかの変化が感じられたとしている。