2017年度の政府予算案が閣議決定

2016年12月26日

 2017年度の予算案が12月22日、閣議決定された。経済産業省では、エネルギー対策特別会計で前年度より微増の8,474億円を計上。東日本大震災から6年目を迎え、「予算」と「制度」の双方を最大限活用し、福島復興の加速、エネルギー政策の再構築に向け、「エネルギー革新戦略の実行」、「エネルギーセキュリティの強化」、「電力システム改革の貫徹」に取り組んでいく。20日に決定した福島復興加速の基本指針を踏まえ、原子力損害賠償・廃炉等支援機構交付金が対前年度比34%増の470億円となったほか、「福島新エネ構想の実現」を掲げた再生可能エネルギー導入促進の支援事業補助金など、新規予算が計上されている。
 文部科学省では、原子力関連で前年度より微増の1,470億円が計上された。福島第一原子力発電所廃止措置に向けた研究開発の「加速プラン」で、対前年度比3%増の44億円となっており、2017年3月しゅん工予定の日本原子力研究開発機構廃炉国際共同研究センター「国際共同研究棟」の設備整備などを推進する。また、21日の原子力関係閣僚会議での決定を踏まえ、「もんじゅ」サイトを活用した試験研究炉の調査・検討として1,100万円が新規に計上されている。
 環境省では、中間貯蔵施設の整備として対前年度比39%増の1,876億円を計上した。また、2017年度組織改革として、廃棄物・リサイクル対策と放射性物質対策を統合し一元的に取り組む「環境再生・資源循環局」(仮称)を新設し、放射性物質汚染から環境再生に関する中核的組織として整備することとしている。
 また、原子力規制委員会は、対前年度比2%減の562億円を計上しているほか、機構要求事項として、「原子力規制技監」、「検査監視総括課」、「安全規制監理官(放射線規制担当)」、「法規担当参事官」を新設し、体制強化を図ることとしている。