演劇型セッションで核セキュリティ学ぶ JAEA・WINS共催ワークショップ

2017年1月12日

 日本原子力研究開発機構(JAEA)と世界核セキュリティ協会(WINS)は1月11日、「核セキュリティの確保:内部脅威対策と信頼性確認制度」をテーマとするワークショップを都内で開催した。同ワークショップは、文部科学省の核セキュリティ強化等推進事業の一環として行われているもので、2011年度より毎年東京で開催されており、今回が6回目となる。
 主催者挨拶で吉田信之JAEA理事は、「内部脅威は外部脅威に比べ防止・検知・対応が難しいとされており、信頼性確認制度を含めた様々な対応がなされているが、この機会を通じて核セキュリティに関する活発で幅広い議論が行われることを期待する」と、参加者が今後の取り組みに活かしていくことを求めた。R.ホーズリーWINS代表は、「近年は核セキュリティにおいて重要な局面を迎えており、『核セキュリティの最先端はまず事業者にあり』ということで、我々も手助けをしていきたい」と意欲を示した。

航空業界の内部脅威対策を紹介する宇田川氏

 セッション1では基調講演として、原子力規制庁長官官房放射線防護グループ原子力災害対策・核物質防護課の江口寛章・核セキュリティ・核物質防護室長が、施設内部で働く従業員等による不正行為で生じる内部脅威について、物的防護、出入管理、行動管理を効果的に組み合わせた対策の重要性について語った。また、宇田川登紀・日本電気東京オリンピック・パラリンピック推進本部パブリックセーフティ事業推進室エキスパート(Security)は、航空業界の内部脅威対策の事例を挙げ、米国やオランダなどの空港職員スクリーニング方法などについて紹介した。

俳優による内部破壊事件後の社内会議の寸劇

 セッション2では演劇型セッションが行われた。企業研修などを中心に活躍する英国の演劇集団AKTプロダクションのT.バナーマン氏が、ボタン方式による参加者の危機管理意識などを問う簡単なアンケートを行った。続いてAKTの俳優3人が、架空の原子力発電所に勤める職員が仕組んだ内部破壊事件による2人の死傷事故後の電力会社内での最高経営責任者(CEO)、法務部長、財務部長による会議を模した寸劇を披露した後、核セキュリティにおける企業の責任範囲などの課題について、白熱したディスカッションが参加者間で繰り広げられた。この後も、政府の調査チームメンバーによる本事件の検討や、同メンバーとCEOとのやりとり等についても寸劇が披露され、参加者間で議論を深めていった。