規制委、「もんじゅ」廃止措置計画の早期認可によりリスク低減すべく関連規則改正へ

2017年1月19日

 原子力規制委員会は1月18日、今後の高速炉開発方針の決定に伴い、廃止措置に移行することとなった日本原子力研究開発機構「もんじゅ」に関し、リスク低減を迅速かつ着実に図る考えから、関連の規則改正を行うとともに、安全監視チームを設置して同機構の取組状況を継続的に確認していくとする対応の考え方をまとめた。
 12月21日に高速炉開発方針とともに決定された「『もんじゅ』の取扱いに関する政府方針」では、新たな「もんじゅ」廃止措置体制を構築し、(1)政府一体となった指導・監督、(2)第三者による技術的評価、(3)国内外の英知を結集した体制整備――のもと、原子力機構においては、「『もんじゅ』が有する安全上のリスクの減少の早期達成に向けて取り組む」とされている。これを受け、原子力機構では、4月を目途に「もんじゅ」廃止措置の基本的な計画を策定し、リスク低減の観点から、炉内燃料の取り出しを5年半で終了することなどを盛り込んだ「高速炉サイクルの研究開発に関する今後の運営方針と対応」を決定した。
 規制委員会がこのほどまとめた「もんじゅ」廃止措置に係る対応の考え方では、(1)運転を開始する前に廃止措置に移行する、(2)炉心から燃料体を取り出した実績が少ない、(3)ナトリウム冷却型炉の廃止措置が国内で前例がない――といった特殊性をあげ、まず、「すべての燃料体を炉心および炉外燃料貯蔵槽から使用済み燃料貯蔵槽に搬出する工程」を速やかに実施し、リスク低減を図る必要があるとしている。その上で、通常の原子力発電プラントで要求される技術基準すべてをそのまま適用するのは合理的ではないとして、「もんじゅ」廃止措置に関係する規則を改正することとした。これにより、「もんじゅ」については、燃料体を炉心から取り出す前に、原子力機構が規制委員会に対し廃止措置計画を認可申請し、より早期から各廃止措置工程のリスクに応じた規制活動が行われるようになる。
 「『もんじゅ』の取扱いに関する政府方針」において、現時点で想定される廃止措置工程はおよそ30年間に及んでいるが、取り出した使用済み燃料については、サイト内で管理し高速炉研究に活用しつつ、将来的には海外を含め、再処理のために搬出することとなっている。