日立子会社の英国ホライズン社 新規原子力発電所の建設認可申請

2017年4月5日

 日立製作所は4月4日、同社の子会社である英国の原子力発電事業開発会社ホライズン・ニュークリア・パワー社が、英国アングルシー島のウィルヴァ・ニューウィッドの原子力建設認可を英国原子力規制庁(ONR)に申請し、受理されたと発表した。同発電所は、2019年後半に建設開始、2020年代前半の運転開始をめざしており、今回の申請受理は実現に向けた大きな一歩となる。
 建設認可は、原子炉の建設および運営に関する英国原子力施設法に基づいてONRが行うもので、2基のUK-ABWR(改良型沸騰水型原子炉)の建設と運営に必要とされる主要な許認可の一つ。今後、ONRが19か月間にわたって厳格な審査を行い、申請者であるホライズン社が、規制義務を履行可能な法人で建設予定地の安全に関る全作業を管理・統制できることを実証できるかなどについて評価する。
 ホライズン社は、これまで2年以上にわたり、原子力施設の運営体制、建設サイト、および建設される原子炉設計の適格性などの事項に焦点を当てて建設認可の申請準備を行ってきており、今回の建設認可の申請は、同社が今年後半の開発合意書(DCO)申請前に第3回目の一般市民へのヒアリング(PAC)を実施することと、ABWRの包括的設計審査の最終段階である第4段階が2017年12月末までに完了することを前提に行われている。
 ホライズン社のA.ウェブ取締役(安全性・ライセンシング担当)は、今回の申請がサイトに先導的な原子力発電所を建設し運営する準備ができていることを表していると語り、「弊社は、経験豊富なリーダーシップと合致した実証された技術を備えており、成功に向けてより広範な能力と組織の構築を急速に進めている」とし、重要なプロジェクトを安全に実現する能力について、ONRからの信頼を得られるよう引き続き取り組んでいくと強調した。
 昨夏に日本原子力発電とホライズン社と日立製作所との間でウィルヴァ・ニューウィッド・プロジェクトに関する基本協定が締結されているが、原電は、3月31日に発表した2017年度経営基本計画の中で、本プロジェクトの許認可段階における協力を継続していくことを明記している。