津波や暴風雪を想定した泊の原子力総合防災訓練、石渡規制委員「今後もより厳しい状況を」

2017年6月2日

 原子力規制委員会は5月31日の定例会合で、2016年度に北海道電力泊発電所(=写真、左から1、2、3号機)を対象として行われた原子力総合防災訓練(11月13、14日)の成果について、内閣府(原子力防災担当)より報告を受けた。本訓練は、原子力災害特別措置法に基づき、国、地方自治体、事業者らが合同で年1回行っている。今回は、津波との複合災害を想定したほか、別途2月に、寒冷地の地域特性を踏まえ、冬季の降雪・積雪を考慮した要素訓練も実施された。
 訓練は、泊3号機が定格熱出力一定運転中のところ、北海道南西沖を震源とする地震により、原子炉が停止した後、原子炉冷却材漏えいが発生し、非常用炉心冷却装置を作動させるが、設備故障などにより注水不能となり、炉心損傷、放射性物質放出となる事態を想定した。住民避難の関連で、地震発生から2分後の大津波警報発令も訓練シナリオに組み入れられたが、内閣府が取りまとめた報告書によると、人命リスクを踏まえ、津波からの安全確保を優先する対応の有効性が確認されたことが良好事項にあげられた。一方で、中央と現地組織、住民同士の情報共有の改善などが今後の検討事項として指摘されている。
 また、冬季の降雪・積雪を想定した要素訓練後に行われた住民アンケートでは、概ね良好な評価が得られたものの、実際に暴風雪が発生した場合のバスの運行や避難ルートの確保、所持品などに関する不安の声や、若年層の積極的な参加、防災意識のさらなる向上を求める意見もあった。
 今回の訓練で、津波や冬季の悪天候を想定したことに関し、規制委員会で地震・津波関連の審査を担当する石渡明委員は、訓練がより実際的になってきたことを評価した上で、「今後もより厳しい状況を想定した訓練を行って欲しい」などと述べた。
 次回の原子力総合防災訓練は、九州電力玄海原子力発電所を対象として秋頃に実施される。