内外17か国から若手35人が参加 Japan‐IAEA原子力マネジメントスクール開講

2017年7月19日

 日本をはじめ各国の次代を担う若手人材の原子力マネジメント能力を育成する「Japan‐IAEA Joint 原子力エネルギーマネジメント(NEM)スクール」が7月18日、東京大学本郷キャンパスの弥生講堂アネックスで開講した。
 原子力人材育成ネットワークの運営委員長を務める高橋明男・原産協会理事長/原子力国際協力センター理事長は開講式の挨拶で、人口増加にともなう安定したエネルギー供給の確保と気候変動対策が重要な課題であり、この解決には原子力が重要な役割を果たすことが期待されると明言。今回のNEMスクールで、原子力に関する多くの知識を得ることを願うとともに、将来のキャリアに役立つネットワーク作りにも期待を込めた。そのほか、実行委員長の上坂充東京大学大学院工学系研究科原子力専攻教授や岡芳明原子力委員長などが挨拶し、受講生らがカリキュラムの一環として訪れる福島第一原子力発電所の廃炉作業が着実に進みつつあることなどを語った。
 日本で第6回目の開催となる同スクールは、原子力人材育成ネットワークおよび東京大学原子力専攻・原子力国際専攻、高等機構・福島工業高等専門学校、日本原子力研究開発機構、日本原子力産業協会、原子力国際協力センターが運営する。今年は、バングラデシュ、ブラジル、ブルガリア、チェコ、中国、インドネシア、カザフスタン、韓国、マレーシア、メキシコ、フィリピン、ポーランド、タイ、トルコ、UAE、ベトナム、日本の17か国から35名が参加。NEMスクールは7月18日から8月3日の日程で、エネルギー政策、核不拡散、国際法、経済、人材育成、環境など、原子力関連の様々な領域についての講義やグループ討論が行われるほか、日立製作所、福島第一および第二原子力発電所、JA(農業協同組合)いわき、コミュタン福島(福島県環境創造センター交流棟)、楢葉遠隔技術開発センターなどを見学するテクニカルツアー、福島高専生との交流などが盛り込まれている。