三菱マテリアル、ベルギーの国家機関と放射性廃棄物処分の研究支援で契約を締結

2017年7月21日

 三菱マテリアルは7月20日、ベルギーの「放射性廃棄物・濃縮分裂性物質管理機関」(ONDRAF/NIRAS)と、放射性廃棄物処分の研究支援に関する契約を新たに締結したと発表した。ONDRAF/NIRASは、ベルギーにおけるすべての放射性廃棄物管理を一元的に行う国家機関。
 同社は2013年に、長年にわたる国内での放射性廃棄物の安全な処理・処分の実現に向けた研究活動が評価され、ONDRAF/NIRASから地層処分の研究業務を受託した。今般、これまでの研究支援の実績が認められ、北海道大学や東北大学の協力の下、ベルギーの地層を構成する岩石や粘土などの試料を用いた種々の試験により放射性物質の挙動を把握する追加研究の契約締結に至った。
 三菱マテリアルでは、今後の研究成果がベルギーの放射性廃棄物地層処分の実現可能性を判断する重要な情報となるほか、多様な岩石を対象とした試験研究の経験は、今後の日本における地層処分の検討にも大いに役立つものとしている。
 ベルギーでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究開発が1970年代から行われている。ONDRAF/NIRASは、2011年9月に国家廃棄物計画を取りまとめているが、その中で、国内の粘土層が地層処分に適しているとの結論を示しており、政府では、これを判断材料として、高レベル放射性廃棄物などの長期管理方針を今後決定することとしている。