高レベル放射性廃棄物の地層処分に向けた「科学的特性マップ」が公表

2017年7月31日

 資源エネルギー庁は7月28日、高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する地域の科学的な適性を全国地図で色分けした「科学的特性マップ」を公表した。2015年改定の最終処分基本方針でポイントとなった「国が前面に立った取組」として、科学的により適性が高いと考えられる地域を国が提示し、理解活動を踏まえつつ、調査への理解・協力について自治体に申し入れる新たなプロセスが追加されたのを受け、同庁の専門家ワーキンググループで検討を進めてきたもの。
 同日の関係閣僚会議で、事前に自治体に連絡した上で「科学的特性マップ」を公表することが了承され、世耕弘成経済産業大臣は、その後の記者会見で「最終処分の実現に向けた重要な一歩、同時に長い道のりの最初の一歩であり、今後の取組が一層重要」とした上で、これを契機に、全国各地での対話活動を丁寧に行っていく考えを述べた。
 「科学的特性マップ」の区分は、地層処分に好ましくない要件・基準として、「火山の近傍」、「活断層の近傍」、「隆起・浸食が大きい範囲」などが一つでも該当する場合は、「好ましくない特性があると推定される(地下深部の長期安定性等)」に、「油田、ガス田、炭田が存在する範囲」に該当する場合は、「好ましくない特性があると推定される(将来の掘削可能性)」とされ、それぞれオレンジ、シルバーに塗り分けられている。一方、これらの好ましくない要件・基準がいずれも該当しない場合は、「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い」に区分しグリーン(淡)に、その中でも、「海岸からの距離が短い範囲」に該当する場合は、「輸送面でも好ましい」としてグリーン(濃)に塗り分けられている。
 「科学的特性マップ」の公表を受け、電気事業連合会の勝野哲会長はコメントを発表し、「日本全国・地域の地質環境や地層処分の仕組み等について、より多くの方に関心を持ってもらい、理解を深めてもらえることを期待している」とした上で、高レベル放射性廃棄物の発生者として、分かりやすい情報提供や地域との対話活動に主体的・積極的に取り組んでいくとしている。また、日本経済団体連合会の榊原定征会長は、「原子力発電を利用する上で、いずれの国も避けて通ることのできない非常に重要な課題だ。わが国においても、原子力を利用してきた現世代の責任として、この課題に取り組む必要がある」とのコメントを発表した。現在、高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)は、六ヶ所再処理施設内の貯蔵管理施設で一時貯蔵されているが、青森県の三村申吾知事は、「最終処分地の早期選定に向け、国が前面に立って不退転の決意で国民の理解促進に向けた取組を加速させて欲しい」とのコメントを発表している。
 「科学的特性マップ」は、エネ庁の公表用サイトで見ることができる。