第61回IAEA総会開幕 天野事務局長の3選を了承

2017年9月19日

 国際原子力機関(IAEA)の第61回総会が9月18日から22日まで、ウィーンで開催されている。総会初日となる18日には、天野之弥氏の3期目となる事務局長再任が全会一致で了承された。新たな任期は2017年12月より4年間となる。
 天野事務局長は演説の中で、これまで事務局長としての8年間、IAEAは迅速に具体的な成果を示すことができる組織であるよう努めてきたことを強調した。北朝鮮の核実験に対しては「重大な懸念だ」とし、北朝鮮に国連安全保障理事会やIAEAの決議を遵守するよう求めた。
 今年の総会に日本政府代表として出席した松山政司科学技術政策担当大臣は代表演説で、天野氏の事務局長再任に祝意を示した。一方、北朝鮮の核実験については、「許されざる暴挙であり、我が国や国際社会に対する脅威である」と強く非難した。国内の原子力をめぐる状況については、原子力利用の「基本的考え方」の策定をあげたほか、「利用目的のないプルトニウムは保有しない」との原則のもと、プルサーマルの推進を通じたプルトニウムの着実な利用を進めることや科学的特性マップの提示にも触れ、バックエンド対策の推進を表明した。