【解説】福島県における米の全量全袋検査
福島県は福島第一原子力発電所の事故後、「基準値を超える米は絶対に流通させない」「消費者が安心できる米の出荷体制を整えて、理解を得ていく」ことを目指し、収穫後はすべての県内産米を検査する全量全袋検査に平成24年から取り組んでいます。福島県農林水産部の資料によると、平成27年以降の3年間(27-29年産米)で基準値(100Bq/kg)を超過した米は出ていません。
全量全袋検査は、スクリーニング検査と詳細検査にわかれ、スクリーニング検査では基準値である100Bq/kgを超える米袋の有無を検査しています。また、検査器ごとに設定されたスクリーニングレベル(*1)により、基準値を超える可能性が少しでもあると判断された米袋は、すべてゲルマニウム半導体検出器による詳細検査を行います。これらの検査の結果、基準値を超えたものについては隔離・保管し、基準値を下回ったものだけを出荷、流通させることとしています。
29年産米からは、県産米の安全性をより一層詳細に確認するため「測定下限値(25Bq/kg)以上スクリーニングレベル以下」の米を対象に、ゲルマニウム半導体検出器による分析を実施し、測定下限値以上が出た場合は、その栽培管理状況等を確認し、今後の技術対策に役立てるとしています。
検査の仕組み等についての詳細は「ふくしまの恵み安全対策協議会」でご確認頂けます。こちらをクリック
*1)スクリーニングレベルは検査器ごとに異なり、概ね50~80Bq/kgの範囲で設定されている。