「もんじゅ」廃止措置計画、燃料体取り出しに向け第一段階認可

2018年3月29日

 原子力規制委員会は3月28日の定例会合で、日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃止措置計画の認可を決定した。これにより、2016年12月に原子力関係閣僚会議で廃炉の方針が示された「もんじゅ」は、原子炉等規制法上、2047年度までを見込む約30年間の廃止措置段階に入ることとなった。
 原子力機構が2017年12月に規制委員会に申請した「もんじゅ」廃止措置で、今回認可されたのは、第一段階となる「燃料体取り出し期間」で、今後、7月にも燃料体の処理に着手し、燃料体の取り出しと設備点検を交互に行ながら、2022年末の燃料体取り出し完了を目指す。二次系ナトリウムは、漏えいリスクを低減するため、2018年度内に系統から抜き取り、既設タンクと一時保管用タンクで固体の状態で保管する。

(原子力規制委員会による「もんじゅ」現地調査の模様、2017年5月、ⓒ原子力規制庁)


 規制委員会では、「もんじゅ」廃炉方針決定後の2017年1月、運転開始前の廃止措置移行やナトリウム冷却炉という特殊性を踏まえ、「リスクを迅速に低減」、「規制を合理的に」との基本的考え方に立ち、燃料体を炉心から取り出す前に廃止措置計画を認可するための規則改正を行うとともに、リスクに応じた規制がなされるよう安全監視チームを設置することとした。
 会合後の記者会見で、更田豊志委員長は、「潜在的リスクが高いのは燃料取り出しの段階。ナトリウムは水をかけるわけにいかないので、何よりも火災を起こさないで欲しい」と述べたほか、これまでトラブルが続いた経緯を振り返り、「工学的な安全以上に、そこに携わる組織の信頼性が大事」などと強調した。
 原子力機構では、「敦賀廃止措置実証部門」を4月1日に新設し、「もんじゅ」と「ふげん」が一体となって、安全確保を最優先に廃止措置を着実に実施していくとしている。
 なお、28日の規制委員会会合では、原子燃料工業が熊取事業所について申請していた新規制基準適合性審査で、「合格」とする審査書が決定した。これで、グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン、日本原燃(ウラン濃縮工場)、三菱原子燃料、原子燃料工業(東海事業所)と、ウラン加工施設に関する計5件の審査が完了した。