規制委が「検査官養成学校」開設し5名が入校、更田委員長「高い見識と専門性を」

2018年4月3日

更田規制委員長より辞令交付を受ける訓練生(左手着席は新規採用職員)

 原子力規制委員会は4月2日、原子力発電所に係る検査官などの技量向上に向け、職員に資格を付与するための教育訓練課程、いわゆる「検査官養成学校」を開設し、第1期生の入校式を行った。原子力検査、原子力安全審査、保障措置査察、危機管理対策、放射線規制の5種の資格取得のため、必要な教育訓練を施すもの。訓練生となった職員は、2年間通常業務から完全に離れ、カリキュラムに基づく教育訓練に集中して取り組む。カリキュラムには、技術的・専門的な知識習熟、シミュレータ訓練、現場実習の他、様々なステークホルダーとのコミュニケーションに関する教育や、安全文化の醸成に欠かせない人間性を高めるための内容も含まれている。

入校式と合わせ報道公開された「マルチプラント・シミュレータ」、原子力発電所の中央制御室の臨場感を液晶パネルで再現でき、計4炉型の模擬が可能(原子力規制委員会内)


 「検査官養成学校」の第1期生としてこのほど、2014年度の新卒採用職員から選ばれた5名の訓練生が入校し、2018年度新規採用の職員25名とともに、更田豊志委員長より訓示を受けた。更田委員長は、新規採用職員に対し、「新たな情報に対し貪欲に。議論する姿勢、学ぶ姿勢を強く持って欲しい」と、訓練生に対しては、「訓練は決して楽ではないが、それぞれの人生にとって大きなチャンス。高い見識と専門性を身に付けて欲しい」などと述べ、今後の原子力規制を担う職員らの自発的なスキルアップに強い期待を寄せた。式終了後、記者団の取材に応じた更田委員長は、「行政官はOJTを行うのが難しい。高い専門性を養うにはこうした機会が必要」などと、「学び」に集中させる新たな教育訓練課程設置の意義を強調した。