島根3号で新制度導入を見据え検査官の実務訓練、山中委員「指導に当たる人材も」

2018年4月24日

原子炉格納容器内で説明を受ける検査官たちⓒ原子力規制委員会

 原子力規制委員会でプラント関係の審査を主に担当する山中伸介委員は4月19日、中国電力島根原子力発電所3号機で検査官の実務訓練を視察した。2020年度からの新検査制度導入に備え、米国原子力規制委員会(NRC)から講師を招き、座学や現場での模擬検査などを通じて技量向上を図るもので、10名の検査官らが訓練に取り組んでいた。

高圧炉心注入系の模擬検査の模様ⓒ原子力規制委員会

 同機は、建設中のため、放射線の影響を考慮することなく、原子炉格納容器内に入って現場実習を行うことができる。山中委員は、検査官が高圧炉心注入系の模擬検査を行う様子を視察した。
 訓練の視察を終え記者団の取材に応じた山中委員は、「少し安心した」と所感を述べた上で、「保安活動の一義的責任は事業者にある。規制委員会はその確認と評価を行うのが主な目的。事業者と協力しながら安全性を高めていくことが重要」などと、新検査制度導入の意義と規制委としての使命を改めて強調した。

島根2号機のガスタービン発電機を視察する山中委員ⓒ原子力規制委員会

また、対象となる機器や時期が固定されないいわゆる「フリーアクセス」に関して、「検査官の技量によるところがかなり大きくなる」としたほか、訓練の積み重ねと同時に、「指導に当たる人材も育てていかねばならない」と述べ、2018年度に開始した検査官の教育訓練課程の機能発揮に期待を寄せた。新検査制度は今秋にも2発電所で試行実施される予定だ。
 山中委員は翌20日、新規制基準への適合性審査が途上にある島根2号機の安全対策の取組状況についても視察した。