原産協会・高橋理事長、プルトニウムの平和利用担保「色々な機会をとらえアピール」
原産協会の高橋明男理事長は7月31日、月例のプレスブリーフィングを行った。冒頭、高橋理事長は、30日に発信したメッセージ「Jヴィレッジの一部再開にあたって」について説明。「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町・広野町)は、1997年に日本初のサッカー・ナショナルトレーニングセンターとしてオープンし、スポーツ振興・地域活性化に貢献してきたが、2011年の東日本大震災以降は、福島第一原子力発電所の事故収束の対応拠点として機能し、長く続く廃炉作業の基盤作りに重要な役割を果たした。このほど、芝生の復旧、宿泊施設の改装などが整い、施設の一部が7月28日に再開したことから、メッセージでは、原産協会として、放射線に関する理解活動を通じ福島の風評払拭に努め、国内外の多くの方々に利用されるよう応援していくと述べている。
記者からは、同日原子力委員会が決定した「わが国のプルトニウム利用に関する基本的考え方」に明記された「保有量を減少させる」ことに関連して幾つか質問があった。これに対し、高橋理事長は、日本におけるプルトニウム利用がIAEA保障措置の厳格な適用により平和利用が担保されていることを強調し、「海外と接触する色々な機会をとらえアピールしていきたい」などと述べた。また、各社が保有するプルトニウムを融通することについては、「立地地域の理解を得て進めていかねばならない」として、具体化にはまだ課題があることを示唆した。
この他、最近原子力規制委員会でまとめられた事業者防災訓練の評価結果や、高速炉開発戦略などに関する質疑応答があった。東京電力柏崎刈羽原子力発電所の2017年度訓練結果がABC評価で「C」(情報共有面)となったことについて、高橋理事長は、「大変残念。是非模範的な発電所に」と述べ、事故の教訓を踏まえた今後の改善に期待を寄せた。