原産協会が女性シンポ開催、脳科学者の中野信子氏らが登壇

トークセッションに臨む中野氏(左)と鈴木氏
中野氏は、フランス国立研究所ニューロスピン(高磁場MRI研究センター)に研究者として勤務した経験を持ち、脳・心理学をテーマとした研究・執筆活動やテレビ番組のコメンテーターなどで活躍している。同氏は、お菓子のラベルを張り替えるだけで「人が感じる味は変わる」という実験、つまり、人間はラベルを見て高価なお菓子や有名なパティシエが作ったお菓子をおいしいと思う、という話を披露した。こうした「味覚はブランドに左右されるもの」という分析の他、様々な実験結果を例示しながら、人間が何かを選ぶときに働く脳の機能についてわかりやすく説明した。

トークセッションで、中野氏は、海外での勤務経験を通じ、「考えたことをきちんと話す訓練ができていない」などと、日本におけるコミュニケーションの問題を指摘した。また、鈴木氏も、広報に関わる立場から、「難解な専門用語や数式を使うと、人は何も聞いてくれない」として、科学技術について人に伝えるコミュニケーション能力の重要性を強調した。