原産協会・高橋理事長がプレスブリーフィング、今後の小型炉開発に期待を示す

2018年10月26日

 原産協会の高橋明男理事長は10月25日、定例のプレスブリーフィングで最近の原子力を巡る動向に関して質疑応答を行った。
 再稼働の関連では、18日に新規制基準適合性審査に係る工事計画認可を得た日本原子力発電東海第二発電所について、高橋理事長は、「安全第一に。また、地域の理解も必要」と、今後の進展に期待を述べた。さらに必要となる運転期間延長の認可についても、2030年エネルギーミックスに示す原子力比率「22~20%」の目標に向け「延長しないと達成できない」と強調し、今回の工事計画認可で「一歩前進した」との認識を示した。
 これに関し、原子力発電プラントの40年運転について記者からの質問があったのに対し、高橋理事長は、「個別に審査が行われる中での判断。科学技術的観点から評価した上で審査を通ったものは運転延長して欲しい」などと述べた。
 また、当日、東北電力が女川原子力発電所1号機(BWR、52.4万kW)の廃炉を、安全性向上対策を行うための技術的制約や再稼働した場合の運転年数など、総合的に判断し決定したが、これに関し、高橋理事長は、「出力規模の大きいプラントの方が経済性に優れていると思う」などと語った。東北電力では現在、女川2号機(BWR、82.5万kW)と東通1号機(BWR、110万kW)が新規制基準適合性審査の途上となっている。1984年6月に営業運転を開始した女川1号機は、福島第一原子力発電所事故以降、廃炉が決定した商業用プラントとして、関西電力美浜1、2号機、同大飯1、2号機、中国電力島根1号機、四国電力伊方1、2号機、九州電力玄海1号機、原電敦賀1号機に続き10基目となる。
 さらに、新たなエネルギー基本計画でも技術課題としてあげられた小型炉の日本における位置付けについて、高橋理事長は、「リプレース・新増設の必要性が明らかになったとき、具体化してくると思う」とした上で、立地の多様性や固有の安全性をメリットにあげ、国際協力で開発が進められる可能性にも期待を寄せた。