都市大「サイエンスカフェ」、原子力関連の展示でロボット操作体験も
東京都市大学の世田谷キャンパスで11月3日、4日、原子力関連の企業などがロボットのデモンストレーションやパネル展示・説明を行うとともに、来場者と交流を図り相互理解を深める「サイエンスカフェ」が行われた。同学の学園行事「世田谷祭」に合わせて毎年開催されているもので、今回、アトックス、原子力発電環境整備機構(NUMO)、千代田テクノル、日本原子力研究開発機構、日立GEニュークリア・エナジーが出展した。
この他、千代田テクノルは身近にある食品を試料として各種放射線計測器による測定を実演し、原子力機構は高速炉や高温ガス炉の研究開発に関する最新状況について紹介した。また、NUMOは、高レベル放射性廃棄物の地層処分に向けた「科学的特性マップ」を掲示し、来場者からの質問に答えながら、処分事業に対する理解を求めていた。
都市大の放射線計測研究室が主催する「サイエンスカフェ」は、飲み物を片手に楽しみながら原子力・放射線に関する理解を深めてもらうことを目的として、2015年から開催されている。来場者からは「放射線が暮らしの中で役立っていることがわかった」という声が寄せられているほか、学長賞の受賞実績もあり学内での評価も高い。
「サイエンスカフェ」実行委員代表で大学院総合理工学研究科修士課程1年の髙﨑史晟さんは、「福島第一原子力発電所事故関連のセンセーショナルな報道があふれているものの、地道な技術開発の取組についてはあまり知られていない」として、「世田谷祭」の機会に一般の方々が足を運び実際に見て触れてもらう意義を強調している。
髙﨑さんは、原子力安全工学科在籍時の2017年、原産協会がウェブサイトで公開する動画シリーズ「3年C組原発先輩」に登場しており、その中で、大学院に進みさらに深く原子力について学びたいという意欲を見せている。今回の「サイエンスカフェ」で、実行委員代表としてリーダーシップを発揮し、熱心に展示ブースを案内する髙﨑さん、都市大で学んだ経験を活かし、福島第一原子力発電所廃炉に関わる技術者の道も考えているという。