エネ研が2019年度のエネルギー需給見通し発表、非化石電源の拡大が鈍化傾向に

2018年12月26日

 日本エネルギー経済研究所は12月21日、2019年度のエネルギー需給見通しを発表した。国内外の経済動向、燃料価格、為替相場などをもとに試算したもので、2018年度の一次エネルギー国内供給は、前年の記録的厳冬に伴う消費増からの反動で減少を示すものの、2019年度には素材系生産の拡大や気温影響で0.2%の微増に転じ461.6メガトン(石油換算)となるとしている。
 原子力発電については2018年度、新規制基準をクリアし再稼働した9基が平均9か月稼働し、総発電電力量は前年のほぼ2倍となる612億kWhとなるとの見通し。現在新規制基準適合性審査に係る原子炉設置変更許可を取得し未だ再稼働に至っていないプラントは6基だが、安全対策に要する期間や他の審査中プラントの今後の進捗が不透明なことから、2019年度は多くても11基が平均8か月稼働し、総発電電力量は対前年比7%増の654億kWhとなると見込んでいる。
 一次エネルギー国内供給のうち、化石燃料については、2018年度で石油が対前年比3.9%減、天然ガスが同3.9%減、石炭が同0.3%減との見通しだが、2019年度ではいずれも同1%未満の微減もしくは微増となり、原子力や再生可能エネルギーへのシフトはやや緩慢となるものと見込んでいる。
 また、エネルギー起源のCO2排出量については、2018年度で対前年比3.5%減の10億7,300万トンに、2019年度では非化石電源拡大の鈍化を受け同0.4%減の10億6,900万トンとなり、過去6年で最少の削減幅に留まると試算している。