更田規制委員長、2019年の重点課題として廃炉に伴う廃棄物処分やクリアランス制度を強調

2019年1月9日

 原子力規制委員会は1月9日、年明け第1回の定例会合を行い2019年の重点課題について議論した。その中で更田豊志委員長は、今後原子力発電所の廃止措置の進展が見込まれることから、大量に発生する低レベル放射性廃棄物の処分やクリアランス制度に係る検討を第一に掲げたほか、昨秋より試運用を開始した新検査制度の導入に伴うコミュニケーションの問題をあげた。
 電気事業連合会の試算によると、建設中を除く商業用原子力発電所全体で、廃止措置に伴い発生する廃棄物の量は約2,000万トンにも及び、そのうち低レベル放射性廃棄物は約45万トン、クリアランス対象物は89万トンと推計されており、計画的な解体工事実施のため、廃棄物処分に向けた規制要件の整備とともに、クリアランス制度の定期的な施行状況の検討が求められている。
 また、2020年度に本格運用を開始する新検査制度については、現在、年度末までを当てている試運用第1フェーズとして、検査ガイドを活用する上での問題点の抽出・改善などが行われているところだ。
 重点課題として、他の委員からは、世界の自然災害に関する情報収集と規制への反映、3S(原子力安全、核セキュリティ、保障措置)の調和などがあげられ、次回以降引き続き議論される運び。
 同日の記者会見で、更田委員長は、12月末に電力各社より運転中のプラントも含めた廃止措置実施方針が出そろったことについて問われたのに対し、「寿命がある以上、予め廃止措置を視野に入れながら事業を行うことは重要」と述べ、バックエンドに係る規制要求が事業環境全体に良い影響となるよう期待した。また、先般の四国電力経営トップとの意見交換で、同社より長サイクル運転に関する発言があったことについて、「一般論として、定期検査期間には多くの作業員が発電所に集結することから、雇用や地元商業への影響などに対し立地自治体は強い関心を持つ」として、事業者にとっての課題は技術的なものだけではないとの認識を示した。