合同企業説明会「原子力産業セミナー」が東京で開催、6日には大阪でも

2019年3月5日

 合同企業説明会「PAI 原子力産業セミナー2020」(原産協会、関西原子力懇談会共催)が3月3日、東京・千代田区の秋葉原UDXビルで行われ、主に2020年卒業予定の大学生ら213名が訪れた(=写真)。6日には大阪でも開催される。出展企業・機関数は、東京46社、大阪34社で、計80ブースの出展数はこれまでの開催で最多。東京会場の各ブースでは採用担当者や若手社員らが立ちプレゼンテーションを行うなど、事業内容の説明や学生との質疑応答に当たっていた。
 東京電力ホールディングスは、「電力を活用して快適な生活を送るためのサービス提供」を行う企業とのキャッチコピーを掲げ、現在停止中の柏崎刈羽原子力発電所については、安全対策や運転技術維持のためのシミュレーター訓練などの取組を説明。福島第一原子力発電所の廃炉現場も「『普通に働ける職場』に近付いている」として、「様々なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる」と学生らに呼びかけた。入社8年目で現在燃料部門に勤務する同社女性社員は、IAEA保障措置に関する業務を紹介し、「専門知識を活かし、海外での発電事業にも携わることができる」などと、やりがいを強調した。
 同セミナーに2006年度の初回開催から連続参加している原子力発電環境整備機構(NUMO)は、高レベル放射性廃棄物処分事業の必要性や地層処分技術の信頼性、それに基づく処分地選定に向けた理解活動について説明したのに対し、学生からは「なぜ自治体から手が挙がらないのか」といった質問もあった。原子力規制委員会・原子力規制庁は、10時から16時30分までの開催時間中に計9回の説明時間を設け、業務内容とともに、教育システムやワークライフバランスについても詳しく説明していた。
 また、国際機関として、今回「イーター国際核融合エネルギー機構日本国内機関」が初参加した。日本を含む7極(35か国)が参画する核融合の国際プロジェクト「ITER」計画では、現在2020年代後半の運転開始に向けてフランスに実験炉が建設中だが、窓口となる量子科学技術研究開発機構の担当者は「続く原型炉の建設で今の学生たちが活躍する」などと、長期的な研究開発における人材確保の必要性を述べた。