経産省、復興の現状を伝える動画「震災から8年、ふくしまは今」など新たに公開

 経済産業省は3月8日、福島復興の現状を伝える動画を新たに公開した。今回公開された動画は、2018年を中心に福島復興の主な動きを振り返る「震災から8年、ふくしまは今」、浜通り地域で新たな産業創出や人材育成に取り組む方々の想いを伝える「ふくしま×できること」(5件)、教育評論家の尾木直樹さんによる「ふたば未来学園高校」(広野町)訪問レポート「教育評論家 meets FUKUSHIMA」、福島県出身芸人の三瓶さんが県産水産物「常磐もの」の魅力を伝える「芸人 meets FUKUSHIMA」の計8本。これらの動画はいずれも、経産省福島復興支援ウェブサイト「ふくしまの今」経産省公式 You Tube チャンネルで見ることができる。
 「震災から8年、ふくしまは今」では、福島第一原子力発電所廃炉の進捗状況、避難指示が解除された市町村における学校再開やイベント開催など、生活環境の整備が進み、まちに活力と賑わいが戻りつつある被災地の現状を伝えている。さらに、帰還後の事業再開とともに、新たな販路・顧客の開拓に挑戦する事業者の姿や、浜通り地域の新産業創出を目指す「福島イノベーション・コースト構想」具体化の動きもとらえ、2020年の東京オリンピックで「復興に向かう被災地の姿を世界に向けて発信する」として結んでいる。
 また、「ふくしま×できること」では、ミツフジ、福島エコクリート、フォーアールエナジー、小高ワーカーズベース、あすびと福島の5事業者へのインタビューの模様を紹介。学校教育や水産業における復興の現状を取材した「教育評論家 meets FUKUSHIMA」、「芸人 meets FUKUSHIMA」ではそれぞれ、尾木直樹さんが「ピンチをチャンスに変えていく福島の教育」、三瓶さんが「福島のお魚の新しい価値」とのメッセージを投げかけている。
 この他、福島第一原子力発電所廃炉の関連で、同日資源エネルギー庁は、新たにシリーズ動画「廃炉のいま ~現場を支える想い~」の公開を開始した。これは、福島第一原子力発電所内に従事するコンビニ店員やバス乗務員など、廃炉作業を陰で支える人たちの声を伝えるもので、このほど第一弾として「コンビニ・食堂・給油所」「バス・清掃・タンク点検」の2本が公開された。その中で、トータルフードサービス(ローソン)の黒澤政夫さんは「温かいおにぎりやコーヒーを売ることで、廃炉に向けて一生懸命働いている方をサポートできれば」と、報徳バスの海辺康博さんは「人対人の仕事。お客様から『今日もありがとうね』と、何か一言いただくのは活力になる」と話している。
 福島第一原子力発電所事故から間もなく8年を迎えるのに際し、東京電力では7日、「福島第一原子力発電所~事故後8年目の歩み~」を公開した。廃炉に関する最近1年間のトピックスをまとめたもので、一般作業服エリアが96%にまで拡大したことや、「東京電力廃炉資料館」の開館、処理水ポータルサイトの開設など、労働環境改善や情報公開の取組についても述べている。