内堀福島県知事、「Jヴィレッジ」の聖火リレースタート「世界への情報発信」の機会に

 福島県の内堀雅雄知事は、3月25日の記者会見で、東京オリンピック聖火リレーのグランドスタートが「Jヴィレッジ」に決定したことについて、「大会全体にとって非常に重要な地点に、復興の一つの大事なシンボル『Jヴィレッジ』が選ばれ大変うれしく思う」と喜びをあらわにした。

間もなく全面再開する「Jヴィレッジ」、白い屋根の建屋は全天候型サッカー練習場(2018年7月撮影)

 2020年3月にギリシャで採火される聖火は、同月中~下旬に「復興の火」として東北被災3県にて巡回展示された後、同月26日に「Jヴィレッジ」を起点に全国各地をリレーして7月24日の開会式に運ばれる。内堀知事は、「県内各地をランナーが回っていく中で、復興が進む部分と、一方でまだ困難な課題を抱えている部分もあること。さらに、二度と原子力事故を起こしてはいけないという教訓や、自然災害への防災・減災対策の必要性についても、世界に向けて情報発信ができる」と、その意義を強調した。「Jヴィレッジ」は、福島第一原子力発電所事故の発生直後、作業員らの防護装備の着脱など、プラント安定化の拠点として用いられたが、2018年7月の一部再開後、残る施設の復旧整備を経て、4月20日には全面再開となる運びだ。
 また、内堀知事は、東京オリンピック開催に際し自治体レベルで募集するボランティア「都市ボランティア」に関し、福島県では募集定員1,500人を上回る約2,200人の応募があったことを述べた上で、「『大会に参加したい』という思いを大切に受け止める。多くの県民の皆様に係ってもらいたい」として、応募者全員に参加してもらう考えを表明した。当初予定人数を大幅に越えるボランティアの活用に向けて、内堀知事は、「今後活動場所の追加なども検討し、しっかり準備を進めていく」としたほか、「これまでの国内外からの支援に対する感謝の思いとともに、福島県の魅力をたくさんの方々に伝えてもらいたい」などと期待を寄せた。福島県の「都市ボランティア」募集は2月28日に締め切られている。