パリ協定長期戦略案がまとまる、「脱炭素社会」の実現目指す

2019年4月24日

 地球温暖化対策について検討する環境省と経済産業省の審議会は4月23日、合同会合を開き、パリ協定に基づく長期戦略案を取りまとめた。長期戦略の策定に向けては2日に官邸レベルの有識者懇談会が提言を取りまとめており、今回の案文はこれを反映させ、今世紀後半のできるだけ早期に「脱炭素社会」の実現を目指し、「2050年までに80%の温室効果ガス排出削減」に大胆に取り組むことを基本姿勢としている。今後6月のG20大阪サミットに向けて、パブリックコメントや一般向けの説明会を経て最終決定となる運び。
 原子力については、エネルギー起源のCO2排出削減を図る施策として、安全性を最優先に原子力規制委員会による判断を尊重し再稼働を進め、2050年に向けては、人材・技術・産業基盤の強化に直ちに着手し、安全性・経済性・機動性に優れた炉の追求、バックエンド問題解決のための技術開発や国際連携を進めていくとしている。また、イノベーションの推進として、小型モジュール炉や溶融塩炉などの革新的な原子炉開発についても触れられており、概ねエネルギー基本計画に則った記述となっている。