「もんじゅ」炉心からの燃料体取り出し、10月開始に向け模擬訓練実施など万全の体制で

2019年6月10日

 日本原子力研究開発機構は6月10日、廃止措置が進められている高速増殖原型炉「もんじゅ」の炉心からの燃料体取り出しに向けた準備状況について、原子力規制委員会の監視チーム会合で説明した。同機構は、5月末に行われた前回の監視チーム会合で、炉心からの燃料体取り出し作業の開始時期を、これまでに発生した不具合への対策や模擬訓練などのため、十分な準備期間を確保し万全を期した上で着手する考えから、当初予定の7月から10月に延期するとともに、初回の取り出し体数を110体から100体に変更している。
 今回の監視チーム会合で、原子力機構は、燃料体取り出しの工程に関し、進捗状況を確認し次工程へ進む判断を行う「ホールドポイント」を明示したほか、不具合対策、作業体制、訓練内容などを具体的に説明。「ホールドポイント」は、燃料体を模した中性子遮蔽体を用いて一連の取り出し自動化運転を確認する「総合機能試験」への着手(8月下旬目途)と、それに続く燃料取扱設備の自主検査と模擬訓練を経て、燃料体取り出し作業の着手(10月上旬目途)を判断する2か所が設けられている。
 作業体制は、実施責任者の下、燃料取扱設備の操作を担当する「操作チーム」(5名×5班)、運転操作を設備面から支援する「設備チーム」(4名×4班)とで構成。訓練は、設備操作OJTや図上訓練の他、自動化運転が停止する事象を模擬したトラブル対応訓練なども行う。
 炉心から取り出した燃料体は、炉外燃料貯蔵設備、燃料池へと移送されることとなっており、燃料体取り出し作業は2022年度内の完了予定。
 

燃料体取り出しのイメージ’(原子力機構発表資料より引用)