福島第一、1号機使用済み燃料プールからの取り出しに向けロボット調査へ

 東京電力は6月27日、福島第一原子力発電所廃炉の進捗状況を発表した。
 3号機使用済み燃料プールからの燃料取り出しについては、4月の1回目取り出し作業後の振り返りを概ね完了し、7月より2回目以降の取り出しに着手すべくガレキ撤去や訓練など、準備を進めているところだ。
 また、2023年度を目処に開始する1号機使用済み燃料プールからの燃料取り出しに向けては、水素爆発の影響により正規の位置からズレが生じたとみられるウェルプラグ(原子炉格納容器上蓋の上方に設置されるコンクリート製の蓋、3段構造となっている)の取扱い検討のため、2台の調査ロボットを投入し、カメラ撮影や空間線量率の測定などを行う(=図、東京電力発表資料より引用)。現在、モックアップ試験他、資機材の準備が進められており、開口部周辺の小ガレキを撤去した上で、7月中旬にも調査を開始する予定。
 廃炉の中長期ロードマップでは、2019年度内に初号機の燃料デブリ取り出し方法を確定することとされているが、福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデントの小野明氏は記者会見で、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)が取りまとめる技術戦略プランにもよるが、今夏にも、ある程度絵姿が示せるのでは」との見通しを述べた。会見では、8月4、5日にNDF主催で行われる「福島第一廃炉国際フォーラム」(福島県富岡町・いわき市)について紹介があった。