福島県・内堀知事が五輪契機の復興加速化に意欲、ソフト開幕まであと1年

 福島県の内堀雅雄知事は7月22日の記者会見で、東京電力が福島第二原子力発電所全4基の廃炉を月内に正式決定するとの報道について、「現段階では東京電力からそのような連絡は受けていない」とした上で、「何よりも安全・着実に廃炉を進めていくよう求めていく」と、政府や東京電力に対し、「スピード感」を持って検討がなされるよう要請していると答えた。
 福島第二原子力発電所の扱いに関しては、2018年6月に東京電力の小早川智明社長が内堀知事を訪問し、「Jヴィレッジ」の復旧工事完了や福島第一原子力発電所廃炉の進捗状況とともに、全号機を廃炉の方向で検討する旨を伝えている。
 また、折しも、東京オリンピック全体のスタートを切るソフトボール競技の福島あづま球場(福島市)における開幕まで丁度あと1年となり、内堀知事は、「大会の重要なポイントの一つが『参加』。聖火リレーやボランティアなど、多くの県民の方々に関わってもらい、自ら参加することで関心がさらに高まり、より力のこもった応援と盛り上がりにつながる」と強調。さらに、「2020年は震災から10年目の節目でもある」として、国内外からの来県者に対しこれまでの支援に対する感謝の意や着実に進んだ福島復興の姿とともに、県の魅力を積極的に発信し、さらなる復興につなげていく意欲を示した。
 一方で、東京オリンピック開催に伴う人件費や資材費の高騰によりインフラ整備が遅れることを懸念する質問があったのに対し、知事は「避難区域の復興が滞ってはならない」として、より柔軟な資材調達対応や必要な財源確保を図っていく考えを強調した。