福島県知事が韓国を巡る動きで、県産品の安全・安心「正確な情報をしっかり発信」と

 福島県の内堀雅雄知事は、8月19日の定例記者会見で、韓国外交省が日本に対し福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策に関わる情報公開を要請したとの報道に関し、「県として引き続き注視していく」とした上で、多核種除去設備などで浄化された処理水の取扱いについては、「国・東京電力で慎重に検討されることが重要」と強調した。
 また、これまで県産農林水産物の安全・安心の確保に取り組んできた結果、輸入規制が講じられていた国・地域は、震災後の54から現在では22にまで減少したことをあげ、「県産農林水産物の品質の高さと安全・安心に関する正確な情報をしっかり発信していく」として、風評払拭に粘り強く取り組む意欲を示した。さらに、知事は、「避難指示が解除された地域の農業再生」を今後の重要な課題ととらえ、同日大熊町で大規模なハウス栽培によるイチゴが初出荷を迎えることを披露。この他、広野町における新種のバナナ栽培の取組なども紹介し、新しい農業再生のモデルケースが広がることを期待した。
 9日に都内で行われた福島第一原子力発電所で発生した処理水の取扱いに関する経済産業省の委員会では、廃炉・汚染水対策の国際広報が議題の一つとして取り上げられ、外務省、農林水産省、資源エネルギー庁、東京電力がそれぞれの取組状況を説明。例えば、東京電力では、英語コンテンツによる情報発信の他、2018年度に、海外メディア取材対応13か国・82名、在京大使館への訪問説明89回、同関係者の福島第一視察受入れ59名など、海外向けの広報活動を行っている。