規制委と九州電力が意見交換、自然災害対策や「フロントランナー」意識など

原子力規制委員会と九州電力が意見交換
就任から1年余りとなる池辺社長は、新たな品質方針の策定、全社メッセージの発信など、「何よりも安全を最優先とする九電DNAの浸透」に向けた経営トップの取組について説明。
田中知委員が「特に重視している点」について問うと、池辺社長は「自ら現場に足を運び、モチベーションが十分に高まっているか、その場で声を聴く」と述べ、「現場第一主義の徹底は原子力安全の原点」であることを強調。また、新検査制度の試運用状況視察のため川内原子力発電所を最近訪れた山中伸介委員は、「シビアアクシデント訓練も非常にきびきびとしていた」などと評価した上で、小さな気付きを全員から確実に収集する「CAP」の取組について、「さらに自由に意見を言い合える雰囲気作りを」と要望した。
九州電力では、2016年の熊本地震を踏まえ、当時新規制基準をクリアし再稼働していた川内原子力発電所の一斉点検を実施したが、自然現象への対応強化として、玄海原子力発電所も含め敷地周辺30km範囲を中心に地震観測点の増強などを図っている。地震・津波関連の審査を担当する石渡明委員は、九州地方の自然特性から、引き続いてのカルデラ火山に対するモニタリング観測体制強化とともに、最近の大型台風襲来に伴う冷却塔倒壊の事案にも触れ、厳しい気象災害への十分な備えを同社に求めた。

意見交換の後、取材に応じる池辺社長
この他、玄海1、2号機の廃炉決定に伴う廃棄物処理、使用済み燃料の貯蔵・搬出、人材育成などに関する質疑応答があった。