原産協会・高橋理事長がプレスブリーフィング、伊方3号機運転差止め仮処分に「大変残念」

2020年1月24日

記者からの質問に応じる原産協会・高橋理事長(右)

 原産協会の高橋明男理事長は1月23日、プレスブリーフィングを行い、最近の原子力を巡る国内外の動きについて質疑に応じた。
 17日に広島高等裁判所で四国電力伊方3号機の運転差止めを命じる仮処分決定が出されたことについては、「大変残念」とした上で、CO2排出量の削減目標や太陽光・風力発電の限界など、日本のエネルギーを巡る課題に触れ、原子力の果たす役割を改めて強調。今回の司法判断を受け「次のステップに向けて準備し臨まねばならない」と、原子力発電に対し立地地域を始め社会から理解を得るよう説明していく必要性を述べた。
 海外の動きとして、12月に米国原子力規制委員会(NRC)により承認されたターキーポイント3、4号機(フロリダ州)の80年運転については、「技術的に可能なことが示された。こうした成果が日本にフィードバックされれば」と、海外から知見を得る重要性に言及。原子力発電所の運転期間延長に関し、原子炉圧力容器の中性子脆化など、経年劣化に対する技術的評価とともに、国際エネルギー機関(IEA)のレポートが示す経済面でのメリットを説明した。
 また、過日来日した原子力規制に関するIAEAレビュー「総合規制評価サービス」(IRRS)のミッションが「産業界とのコミュニケーションは原子力安全に資する」と指摘したことについては、「原子力エネルギー協議会(ATENA)に大いに期待する」と、今後の課題としての認識を示した。