RI協会、Mo99で供給ネット作り

2009年5月22日

 日本アイソトープ協会は、5月19日の原子力委員会で「医療用アイソトープ原料の安定供給にかかえる現状と取組むべき対応」について報告した。


 日本は、がんの診断薬(テクネチウム造影剤)の原料となるモリブデン99を製造していない一方、全世界の需要の14%を占めている。世界的にもテクネチウム造影剤の需要が増しており、周辺国でも供給対策が行われている。


 こうした状況をふまえ、同協会は安定した供給をめざす計画として、(1)JMTR(材料試験炉)によるモリブデン99の製造を開始し、2013年には日本の全需要の約20%を補完、(2)モリブデン99は製薬会社へ残し、病院等へは製剤で供給、(3)アジア・オセアニア圏におけるネットワークの構築。(4)中国・韓国・日本の三国ラジオアイソトープ(RI)協会が集結する今年10月開催の会議で三国共同体制作り――などの提言を行った。特に供給危機の際には、国家間ネットワークが重要になるとしている。