原子力機構と電中研が海水ウラン捕集で報告、技術は進歩するも課題はコスト
日本原子力研究開発機構と電力中央研究所は、2日の第20回原子力委員会定例会議で「海水ウランの捕集技術」について報告した。
両者によると、海水の中には77の元素が溶け込んでおり、ウランに関しても45億トンが海水中に存在する。これは鉱山ウランの約千倍に相当し、黒潮の運ぶ52万トン/年のうち、0.2%が回収できれば日本の年間需要量8000トン/年が得られることになる。
現在モール状捕集システムのコスト評価は3万2000円/kg‐Uだが、今後、ウラン週間スポット価格の51ドル/ポンド‐U3O8(1万3000円/kg‐U)を目標としてコストダウンをめざす。約90億円と見込まれる開発資金が確保できれば、5年の研究と2年の立ち上げ期間で実用化の見込み、だとした。また、初期投資には1000億円が必要としている。