東電 1号機「炉心溶融」と評価 地震翌朝には大部分が落下 現在は「安定的に冷却」

2011年5月19日

東京電力は15日、現在、震災後の事態収束が進められている福島第一原子力発電所のうち、1号機(電気出力46万kW)の炉心状態について、「津波到達後、比較的早い段階において燃料ペレットの大半が溶融し、圧力容器底部に落下した」との暫定評価結果を発表した。一方で同機燃料は現在、淡水注入により安定的に冷却されていることから、「今後、大規模な放射性物質の放出につながるような事象の進展はない」との見方も示している。


同社では、福島の事態収束と合わせ、地震発生後の対応履歴やプラントデータの整理を行っているが、現時点で得られている記録データにより、炉心状態の解析を実施してきた。これらによると、1号機原子炉圧力容器周りの温度は、複数の測定値で概ね類似の傾向にあり、それらに基づく推定によると、発熱体(燃料)の大半は、原子炉圧力容器の下部(=左図の炉心支持板より下)で水没しており、一部は露出しているとの見方が示されている。また、原子炉圧力容器の温度は、100〜120℃付近で推移し、注水が継続されながら、水位の有意な上昇が確認されていないことなどから、冷却水の漏えいはあるが、下部に大規模な破損はないものとしている。


1966年(昭和41年)7月1日に、東京電力(当時=木川田一隆社長)が内閣総理大臣(当時=佐藤栄作首相)に提出した「福島原子力発電所の原子炉設置許可申請書」(同社初の原子力発電所となる現在の福島第一1号機)の中の「原子炉本体の概要図」。

東電 1号機「炉心溶融」と評価 地震翌朝には大部分が落下 現在は「安定的に冷却」