原子力機構 核融合用マイクロ波で 世界最高出力に成功

2009年12月1日

 日本原子力研究開発機構はこのほど、核融合プラズマ加熱用マイクロ波発生装置「ジャイロトロン」(=写真)で、世界最高の1500kW出力を4秒間維持することに成功、ITER加熱装置の高性能化に向け、大きく前進した。
 ジャイロトロンは、電子ビームのエネルギーを100GHz(電子レンジの約40倍の周波数)のマイクロ波に変換し、1000kWクラスのパワーで出力できる大型真空管で、核融合反応に最適な温度にプラズマが加熱される。電子ビームのエネルギーを大きくすればマイクロ波出力を上げられるが、無駄な温度上昇となるエネルギーも増えるため、この熱負荷を低減する「高効率動作」へ移行するまでの時間短縮が技術開発課題となっていた。

原子力機構 核融合用マイクロ波で 世界最高出力に成功