原子力機構がHTTRで 世界初の炉心冷却喪失試験に成功 自然に原子炉出力が低下 固有の安全性を確認

2011年2月25日

日本原子力研究開発機構はこのほど、原子炉出力30%において冷却剤ヘリウムの流量をゼロにし、さらに2系統ある炉容器冷却設備のうち1系統を停止した、より厳しい「炉心冷却喪失試験」を行い、「自然に原子炉出力が低下し、炉が安定な状態になる」高温ガス炉としての固有安全性を確認した。12月に行った高温工学試験研究炉(HTTR・茨城県大洗町)での「炉心流量喪失試験」に続いて、1月より実施していたもの。


先般の「炉心流量喪失試験」は、炉出力約30%で全てのガス循環機を停止させて炉心における冷却材ヘリウムの流量をゼロとし、炉心の冷却能力を著しく低下させた場合の原子炉の安全性を実証することを目的としており、結果、自然に炉の出力は低下し、燃料温度の異常な上昇等もなく安定な状態になることを確認した。