「原子力安全庁」閣議決定 環境省・外局に 安全規制組織を統合

2011年8月25日

政府は15日、原子力安全規制に関する組織改革の基本方針を閣議決定した。「規制と利用の分離」の観点から、原子力安全・保安院の扱う安全規制業務のうち、原子力部門を、経済産業省から切り離し、内閣府の原子力安全委員会の機能とも統合した「原子力安全庁」(仮称)を、環境省の外局として新設するもの。新組織の12年4月設置を目指し、法案整備などの所要の作業を進めるべく、内閣官房に遅くとも月内には準備室が立ち上がる運びだ。


来年度からの施行を目指す当面の安全規制組織の見直しの方針としては、新設の「原子力安全庁」に、原子力安全規制関連の業務を一元化することで、規制機関としての一層の機能向上を図るほか、経産省所管の原子力発電や燃料サイクル関連の規制業務に加え、他省所管の試験研究炉、核燃料物質等使用に関する安全業務や、核セキュリティについても一体的に対応する。また、事故発生時の初動対応などの危機管理についても、新組織の重要な役割と位置付け、「緊急事態専門官」を新設し、体制整備を図っていくほか、今般の事故を踏まえた新たな課題として、環境モニタリングの司令塔機能を担い、中長期的な現状回復では、放射性廃棄物や汚染土壌の処理、除染についても関与させる。