避難先のケアや食事影響 高齢者死亡リスク 南相馬老人施設で調査

2013年3月27日

渋谷健司・東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学分野教授らは27日、上昌広・東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門特任教授ら、福島県南相馬市立総合病院と共同で、福島第一原子力発電所の23キロ圏に位置する南相馬市内の5つの老人介護施設の協力のもと、事故後の避難による高齢者死亡リスクの推定と避難プロセスにおける死亡率上昇要因の分析結果について発表した。


福島第一原子力発電所事故で南相馬市内の老人介護施設から県外に避難した高齢者の死亡率は避難前に比べ2.7倍に増加。ただし避難後の死亡率の変化は施設によってばらつきがあり、長距離移動による身体的負担以上に避難前の栄養管理や避難先の施設のケアや食事介護の不徹底などが影響したとしている。また初回の避難者のほうが、2回目以降の避難者よりも死亡リスクが高いことも示された。


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