政府 事故収束を宣言 福島第一原発 今後は中長期的課題に全力 「ステップ2」目標達成
政府は12月16日、首相官邸で原子力災害対策本部(本部長=野田佳彦首相)を開き、4月に定めた東京電力の福島第一原子力発電所の事故収束に向けた道筋の「ステップ2」の目標としていた事故原子炉の「冷温停止状態」を達成し、「事故そのものは収束に至った」と判断した。
事故収束に伴い今後は、サイト内では3、4号機の原子炉建屋カバーの設置、海側遮水壁の設置などを行い、使用済み燃料プールの燃料取り出しなどを目指して、作業を進める。サイト外では、除染の本格化、福島県民の健康管理、賠償問題などに全力を傾注する。
中長期的には、サイト内での廃炉に向けた作業や廃炉技術の開発、サイト外では住民帰還に向けた作業、中間貯蔵施設立地サイトの決定、国などによる土地の買い上げ・借り上げなどを検討する。
記者会見した野田首相は、「福島の再生なくして日本の再生なし」と何度も強調してきたとし、3月11日に事故が発生して以来、「何よりも原子炉の状態を安定させるべく、国の総力を挙げて対応してきた」と振り返った。